皆さんは高知の日曜市をご存じですか? うちは、おじいちゃんの時代からお世話になってます。そこで良く耳にします。「この野菜は有機野菜ですか?」
「うちは、有機肥料をで作ってますから、美味しくて、甘いですよ!!」
 当たり前の様な会話だが、では、化学肥料で作った野菜は、まずいのか!!と言う事になる。それでは、化学肥料が可哀相ではないか!!それとも、我々に江戸時代の農業に戻れと言うのか!!このテクノロジーの時代にだ。 
 私は、有機肥料がどの様なメカニズムで植物に吸収され、結果、美味しいものが出来るのか考えてみた。
 まず、第一に考えられるのは有機肥料と化学肥料の分子の大きさだ。化学肥料の分子は小さいので、あたえれば直ぐに吸収される。有機肥料は分子が大きすぎて根の吸収する穴から入れない。正にその事がたいへん重大であると私は考えています。
 これから書くことは私個人の考えであって事実とは違うかも知れません。
 有機肥料を施した場合、植物がその栄養を吸収する為には化学肥料のような小さい分子にしなければなりません。その為に植物は根の先端から根酸と呼ばれる強い酸で、有機物を分解しその分子を小さくしてから取り入れます。その事が植物に適度なストレスを与えます。有機肥料の効果が化学肥料と比べて遅いのはその為だと考えています。
 私は、ストレスは必要な物と考えています。江戸時代の農業は、正にそのストレスを利用したものだと私は考えています。昔は、やりたくても肥料や水をやれなかったのです。今はどうでしょう。水は蛇口をひねれば出る!肥料はやり放題!ストレスのかけらもありません。今の農業はむしろやるのを我慢する事が大事なのです。
             
 昔の農業と今の農業の関係は、(言い換えれば、有機農業と化学農業)東洋医学と西洋医学との関係によく似ていると思います。何か、東洋医学は神秘的で西洋医学は現実的な・・・・。そう言い換えると解り安いのでは無いでしょうか。有機農業は神秘的で、化学農業は現実的な・・・・。しかし、皆さんは、西洋医学は必要無いとは決して思っていないはずです。そうです。農業も同じだと私は思っています。昔の有機農業に今の化学農業をプラスしたもの。それこそが、私の目指す農業です。今、時代は有機農業の大切さが見直されています。それはそれですばらしい事です。その事に、努力されている方々には大変な敬意を表します。
 
 今、私は有機肥料と化学肥料を使い分けています。その比は有機9:化学1程度です。それだけで有機野菜とは言えません。今の国の基準では私のとまとは有機野菜と認めてもらえません。それだけ国の基準はきびしいのです。

 話が右往左往していますが、私が言いたいのは、化学肥料を悪者にして欲しくないと言う事何です。今から約30年前に発明されたこの化学肥料を有効に利用して始めてこの偉大な発明が生かされるのではと思うのです。 

 あらためて言いますが、有機肥料&化学肥料。この2種類の肥料を使いこなしてこそ今に合った農業が出来るのではないだろうか。その事を強く言いたかったです。


終わり
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